足腰が不自由な人や、筋力の衰えた高齢者の歩行をサポートしてくれる介護用杖。多点杖・ロフストランドクラッチ・松葉杖など使用する人の状態に合わせてさまざまなタイプがあり、杖の長さ・耐久性・持ち手の形状も考慮しなければなりません。また、折りたたみなどの便利な選択肢もあり、どれを選んでいいか迷ってしまいますよね。そこで今回は、種類別に介護用杖の選び方とともに、人気のおすすめ商品をランキング形式でご紹介します。自力で行きたいところに行けるという楽しさをサポートするために、自分にあったすてきなアイテムを見つけてくださいね。杖には、歩行の補助・足腰の痛みや負担の軽減・心理的なサポートという3つの効果があり、第三の足として歩くことをサポートしてくれます。特に介護用杖は一般的な杖よりも安定感があり、転倒などのリスクを軽減。身体の状態に合わせてグリップや脚に工夫が施されているのも特徴です。足腰に不安のある人や障害のある人にとっては、少しの移動も大変な作業。歩いたあと、痺れや痛みが辛いという人も多く、自分で歩くのが億劫になりがちです。歩くのをやめてしまうと、歩行機能の低下に繋がり、気分もふさぎ込んでしまいます。介護用杖で負担を減らし「歩く」をサポートして、心も体も前向きになりましょう。介護杖の選び方介護杖を選ぶ際に必ずチェックしておきたい「4つのポイント」をご紹介します。
① 身体の状態に合わせて杖のタイプを選ぶ一般的に介護で使用されている杖は、T字杖・多点杖・ロフストランド杖・松葉杖の4種類です。自身の症状や身体の状態に合わせて杖を選びましょう。「多点杖」は安定感を重視する人に。立ち上がりが辛い人には「S字グリップ」がおすすめ杖の先が複数に分かれているのが特徴の多点杖。地面との設置面積が増えることで、安定した歩行ができるのが魅力です。また、杖が自立するので、杖から手を離す際に立てかける必要もありません。ただし、安定感重視で脚部の面積が大きなものを選ぶと、狭いスペースで使いにくかったり、小回りが効かず事故に繋がったりするケースもあるので、注意しましょう。基本的には4つの脚でしっかり固定する室内向けの杖ですが、外でも使えるよう脚部分の面積を小さくした商品も販売されています。また、外出時には杖の脚が起伏に合わせて可動するタイプを選ぶと歩きやすいですよ。立ち上がるのが辛いと感じる人にはS字グリップがおすすめ。S字型のグリップが立ち上がりを補助してくれるので、椅子やベッドに洋式トイレなど日常生活の動作を助けしてくれます。なお、多点杖については以下の記事でも詳しくご紹介していますので、参考にしてください。握力が弱い人や体に麻痺がある人には「ロフストランド杖」病気や事故などで足が麻痺症状にある人や握力や手首の力が弱い人には、ロフストランド杖がおすすめ。グリップ部分に前腕を通すカフが装備されているので、腕の力を使って身体を支えられます。腕への負担はカフの位置によって変わるので、グリップとの幅を調整できるものを選びましょう。また、カフの形状はU字とO字の2種類ありますが、安定感を重視するならO字型がおすすめ。しかし、転倒時には腕から杖が離れないため大きな事故に繋がる可能性があります。U字型は腕をハメやすく、普段遣いに便利なタイプ。杖を握る握力があるのであれば、U字型がおすすめです。「松葉杖」は下半身の麻痺や障害がある人に下半身麻痺や骨折など脚に障害のある人におすすめしたいのが松葉杖です。手と脇で杖を固定するので、今回紹介する杖の中では1番荷重に耐えられます。杖の種類は大きくわけてアルミ製と木製の2種類あり、アルミ製は軽く使いやすいですが、雨などに濡れると錆びてしまう可能性があります。重量はありますが、長期にわたって使用するなら耐久性や錆びにも強い木製がおすすめです。「T字杖」は自力で歩ける状態の人に。商品のバリエーションも広い病院で医者に診てもらうほどではないが、歩くことに少しでも不安を感じている人におすすめしたいのがT字杖です。軽量で室内・屋外を問わず、さまざまな場面で気軽に使うことができます。商品数が多いので、花柄などかわいいデザインも多く、選択肢が広いことも特徴です。以下の記事で、T字杖の詳しい選び方・おすすめの商品を紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
② 杖の長さは体型に合わせて選ぶ杖の高さについては、杖の先端を同側の足先の前方20cmにおき、肘を30~40度(もっとも自然な角度)に屈曲した位置が1番適切な杖のサイズといわれています。病院などに通院している人なら、かかりつけの医師や専門家に相談して購入を検討するのが最もベストです。通院されていない場合は、ケアマネージャーに相談したり、福祉用具メーカーに問い合わせたりすると良いでしょう。メーカーや商品のホームページに、適正身長の目安や適正サイズ表があるのでインターネットで杖を購入する際は、ぜひ参考にしてみてください。
③ 便利な折りたたみ式や長さ調節機能付き。耐久性には注意折りたたみ式の杖は、外出時の「もしも」に備えて携帯しておきたい人におすすめです。ただし、それぞれのパーツがゴムでつながっている多関節式なので、杖の接続部の部品が劣化して折れてしまうなど、通常の一本杖に比べると劣化しやすい傾向があります。また、楽な姿勢で使える最適な長さがわからない場合は、長さ調節のできる杖がおすすめ。上下20cm程度の調節ができれば自分に適した長さを探れます。しかし、可動部は折りたたみ式同様脆くなるので注意してください。折りたたみ・長さ調節はとても便利な機能ですが、一本杖に比べ耐久性が劣ることを念頭において購入しましょう。
④ グリップの形状と素材は手の状態に合わせて選ぶ商品によってグリップ(持ち手)の形状にも違いがあります。S型と呼ばれる手首に優しい少し丸みがかった一般的な杖や、手のひらの小さな人におすすめなE型の形をしたものなどさまざま。ただし、傘の持ち手のように丸くなったU型形状のグリップは安定感がやや劣るので